私は現在68歳、合格当時は65歳の男性です。
元不動産関係の事務職で、FP受験時から22年前に宅建試験に合格しましたが、それ以降、勉強らしい勉強もしていません。
時代に流され両親の介護をしながら、自宅でダラダラと過ごしていたのです。
なぜ今更、FP2級を目指したのか?
それは、生活防衛とボケ防止に役立つからです。
ITの進化が加速する今後、何か仕事をする上でFP資格が役に立つのでは?といった漠然とした期待があったのです。
FP2級試験は、記憶力の勝負です。 60代にもなると当然、記憶力は低下しています。
「人の名前が出てこない」「昨日食べたご飯を忘れる」「病院の予約日を間違える」
…そんな私が、どうやって膨大な法律知識を暗記したのか?
これから、私がスタディングで学び、FP2級に合格した勉強法のすべてをお伝えします。
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なぜ60代の私が「紙のテキスト」ではなく「スタディング」を選んだか
分厚い本は「重い」「文字が小さい」「読み込むのが大変」で挫折フラグだったからです。
スタディングは動画・テキスト・音声の学習ツールがあり、通院の待ち時間(リハビリ等)を勉強に変えられる利便性があります。
受講を決心した最大の理由は、年金生活者にも優しい圧倒的なコストパフォーマンスがあったことです。
記憶力の低下に勝つ!400時間超を費やした「泥臭い」勉強法
私は絶対に1発合格したかったので、1日3時間勉強を日課にしました。
合格までの勉強時間はTOTALで400時間(3級学習も含む)は超えています。
巷では、2級合格には150~300時間必要という情報がありますが、それは若者や地頭の良い人向けの学習時間ではないでしょうか?
とても鵜呑みにはできません。
私は記憶力のハンデを埋めるため、質よりも「量」で勝負しました。
ここから、私が実践した400時間の具体的な勉強フローをご紹介します。
【戦略】 「完璧」を捨てる勇気(満点は狙わない)
FP2級の試験範囲は、とても広いです。
限られた期間に全て完璧に学習することなど、到底無理です。
スタディングは、他のスクールに比べて学習分量が少なく、合格に必要な知識習得に重点を置く工夫がなされています。
だから試験に出るとこ重視で、学ぶ範囲をグッと絞り効率的に学習することを徹底できました。
スタディングのAI学習機能が「ここが出やすい」と教えてくれるので、それに従うだけで実現できたのです。
【失敗談】 勉強途中でだらけた、不安で市販本に浮気して失敗した話
FP2級受験に必須となるFP3級の勉強時のことです。
当初、若者に勝つためには早く始めるのが得策と考え、3級試験日の4か月以上前に講座に申し込み、勉強を開始しました。
ところが、思ったより順調に学習が進み、試験日までの時間を持て余すことになったのです。
結果、途中でだらけてしまい、1か月ほど勉強をサボりました。
それでも3級は高得点で合格できたので結果オーライ、シニア初学者であっても、3級は3か月あれば合格できると思います。
3級試験の出来が良かったことで、試験日から2週間ほど休みを取りました。
いざFP2級の学習を始めると、論点が細かく多岐にわたり難しい。
「頭痛くなる、こりゃ無理かも」という不安が芽生えました。
スタディングより自分に合った教材があるかもしれないという思いから、市販の問題集に手を出したことが失敗でした。
購入した問題集がスタディングと被っていたり、難しい問題や解説理解に時間が奪われてしまい、途中で放り出しました。
市販本が、かえって焦燥感を招く結果になったのです。
1度教材を決めたら他に浮気するのは、やめた方が良いですね。
FP2級に向けて3級を勉強中のみなさん。
3級に合格したら、すぐに2級の勉強を始めるのをオススメします。
3級でインプットした知識を忘れないうちに、2級の試験勉強に進むのが効率的だからです。
そして、あなたが使用している教材を信じ、他の教材に手を出さないでくださいね。
【戦術】 老眼対策としての「音声学習」と「反復」
普段はパソコンで受講しましたが、腰痛のリハビリ等で通院する機会も多く、待ち時間にはスマホで動画学習をしていました。
老眼鏡をかけて小さい画面を見ていると、画面がぼやけたり、目がチカチカして、とても辛いのです。
そんな時は、スマホアプリで音声を聞き流すことに切り替えました。
記憶定着に欠かせないのは、反復学習です。
寝る前の「思い出し作業」は、暗記学習に効果的で記憶定着の鍵です。
寝ている間に学んだ内容が整理され、定着しやすいことが、ハーバード大学の研究でわかっています。
その日に勉強した内容は、必ず寝る前に思い出す習慣をつけました。
そして、朝起きたらすぐに復習すると、記憶定着が一層強化されるのです。
最も効率が良いスタディングの反復学習は、「問題を何度も解くこと」だと思います。
日にちを置いて何度も問題練習に取り組み、間違えた問題は、必ず解説を読み理解するように努めました。
スタディングでは、自分が間違えた問題を表示して繰り返し学べる機能があり、大いに反復学習に役立ちました。
人間の脳は、重要ではない情報を忘れるようにできています。
忘れたことを何度も繰り返し確認することで、脳が「これは大切なことなのだ」と認識してくれます。
そして、記憶が定着していくのです。
試験の2週間前からは、ラストスパートです。
動画、音声学習をやめて、時間の許す限り、スタディングの全問題とその解説だけを復習・再確認する勉強法に切り替えました。
この期間は、1日4~5時間は勉強に費やしましたね。
トイレに入ったり、家事の合間にもスマホで問題に取り組み、隙間時間を有効活用しました。

【本音レビュー】スタディングの「ここが辛かった」と対処法
スタディングは講師に質問できませんでした。
(※現在はQ&Aチケットを購入することで質問できます 2025年12月に確認)
勉強中に理解できないことはありますが、何度か解説を読み返してもわからないところは、すっ飛ばしました。
あまり細部にこだわるのは、時間の無駄と割り切ったのです。
教材に分かりやすい解説がないという箇所は、重要ポイントではありません。
「わからない、どうしよう?」と悩む時間は、基本知識と重要ポイントを、しっかりと定着させる学習に使いましょう。
受験勉強に孤独はつきものです。
孤独にさいなまれて勉強が進まないときは無理せず、散歩に出かけたり、筋トレや家事をしました。
すると、やる気が復活してきます。
運動は脳を活性化して、ストレス発散になるのを実感しましたよ。
図解が細かく、若者向けで見づらい箇所があったのですが、眼鏡型の拡大鏡を使って対処しました。

以上、辛いことはありましたが、ごく普通の65歳でも学習を継続し合格できたのですから、シニアの皆さまにもオススメできます。
試験当日の「シニアならでは」の注意点
試験当時は、知識の確認はしなくて良いです。
合格できる知識が、すでに十分インプットされていると信じ、落ち着いて試験に臨みましょう。
私は、試験前日から一切勉強しませんでした。
むしろ、体調管理に気を使うべきだと思います。
普段通りの食事し、ゆったり入浴してリラックス、ちょっと早めに就寝なさってはいかがですか?
試験会場では、硬い椅子に長い時間座ります。
腰痛に不安がある方は、事前に試験監督員に申告すればクッション・座布団を持参できます。
試験会場に到着したら、まずトイレの場所を確認しましょう。
自分の席からトイレまでの経路と往復の所要時間を把握しておけば、
もし試験中にトイレに行きたくなっても、速やかに移動できます。
トイレは用を足すだけでなく、唯一リラックスできる空間でもあります。
混雑しがちなお昼休みも、場所さえ把握していれば素早く確保できますよ。
若い人ばかりで、自分のような初老男性は浮いてしまうかな?とちょっと不安でした。
試験会場では意外とシニアらしき受験生も散見できて安心したので、心配は要りません。
私は実務から遠ざかっていたため、実技での電卓を打つスピードがかなり落ちていました。
試験途中でも計算を間違えそうになり焦りましたが、終了5分前には全問解答用紙に記入できました。
電卓打ちのスピードは、それほど気にしなくて大丈夫。
遅くても、落ち着いて正確に打つようにしてください。
日本FP協会の受験結果として、学科78%、実技80%の正答率で合格できました。

これから挑戦する同年代へのメッセージ
FP2級は、学科・実技ともに6割の正答率で合格できます。
適切な方法で勉強すれば、シニア世代でも1発で合格できる試験です。
FP試験は「日本FP協会」と「きんざい」の2つの団体が実施しています。
学科は全く同じ問題が出題されますが、実技が異なります。
「きんざい」よりも「日本FP協会」のほうが、初学者向きで合格率が高いです。
もちろん、どちらに合格してもFP2級所持を証明できますし、資格としての価値に一切の優劣はありません。
特にこだわりがなければ、「日本FP協会」受験をオススメします。
2025年4月からはCBT(パソコン受験)も始まり、より受けやすくなっているのでチャンスですよ。
| CBT試験 | 紙試験 |
|---|---|
| ※2025年4月~ 2025年9月実施 「学科」合格率 54.78% 「実技」合格率 69.67% |
※2025年1月実施 「学科」合格率 44.44% 「実技」合格率 48.82% |
| ※2024年9月実施 「学科」合格率 47.11% 「実技」合格率 56.48% |
|
| ※2024年5月実施 「学科」合格率 59.29% 「実技」合格率 54.87% |
※出典:日本FP協会 2級FP技能検定・試験結果データより筆者が作成
上記の表を見ると、CBT試験の合格率が、紙試験の合格率より高いことが分かりますね。
(紙試験の合格率が高いのは、2024年5月の学科のみです)
さらにCBTは、体調の良い日を選んで受験できるので、シニア世代には有利に働きますよ。
65歳でも合格できた。
「始めるのに遅すぎることはない」
これは、本当だと実感しました。
人生100年時代と言われますし、FP講座で学んだ知識は今後の様々な場面できっと役に立つと信じています。
FP受験のお陰で勉強習慣が身についたのも収穫ですね。
今後も健康に注意しつつ、生涯現役で実務から趣味まで学び続けたいと思っています。
シニアの皆さま、絶対に合格できますので、体調管理に気をつけて合格を勝ち取ってください。
まとめ
- シニア世代でもFP2級に1発合格できる
- 学習範囲を基本知識と重要論点に絞って繰り返し学習することが短期合格の秘訣
- 問題中心に取り組み、理解できない箇所は深入りしない
- FP2級学習はオンライン学習のスタディングがオススメ
- 市販本には手を出さない
- 体調管理に気をつけて、FP2級合格を勝ち取りましょう
